~2025年10月 撮影 佐賀県 太良町~
海に立つ「大魚神社の海中鳥居」
佐賀県太良町の有明海沿いに、
潮の満ち引きとともに姿を変える赤い鳥居があります。
その名は「大魚神社(おおうおじんじゃ)の海中鳥居」。
満潮時には波に浮かぶように、干潮時には歩いて近づける場所として知られ、
古くから航海安全と豊漁を祈る人々の信仰を集めてきました。
静かな浜に立つと、
朱色の鳥居がまっすぐ海へと続き、
その向こうに広がる空と海の境がやわらかく溶け合っています。
旅の途中で立ち寄るには、少し静かで、
けれども不思議と心に残る場所です。
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海に立つ朱の参道
有明海の潮風に包まれながら、
まっすぐに並ぶ朱の鳥居が沖へと続いていました。
波の音と風の音が溶け合い、
その姿に不思議な静けさを感じます。

海中の鳥居に近づいて
足元まで寄ってみると、
水面が鳥居の脚を静かに包み、
注連縄の影が揺れていました。
潮の香りが心地よく、
穏やかな時間が流れています。

海と空の広がり
鳥居の向こうには、
ゆったりとした有明海が広がっていました。
雲の切れ間から光が差し、
海面が銀色に輝く一瞬。
その景色に言葉はいりません。

雲間にのぞく青
厚い雲の合間から青空がのぞくと、
朱の鳥居がいっそう際立ちます。
潮の香りと静寂の中で、
時間の流れがゆるやかに感じられました。

白い浜の記憶
足もとに広がるのは貝殻の浜。
白く積もった殻が、陽の光を受けてかすかに輝きます。
その先には海中に立つ鳥居。
貝殻の白、鳥居の朱、海の青がひとつにつながる風景です。

静けさの向こうへ
潮が満ち始めると、
鳥居の脚元が少しずつ水に沈んでいきます。
日が傾き、空の色が変わる頃、
海と空がやわらかく溶け合っていました。

潮の道が続く先で
鳥居のある浜から少し離れると、
海中に電柱が立ち並ぶ不思議な光景が見えてきます。
満ち潮のたびに電線が波に映え、
この地で生きる人々の暮らしと海との距離の近さを感じました。

おわりに
日々、波に洗われながらも変わらずこの場所を見守る海中鳥居。
訪れた日、空の色も雲の形も刻一刻と変わり、
そのたびに鳥居の朱も表情を変えていました。
太良町の小さな港町には、
時間をゆっくりと感じさせる穏やかな空気があります。
もし機会がありましたら、
潮の香りと波音に包まれながら、
この「大魚神社の海中鳥居」にも一度おいでになりませんか。
